僕は散歩が好きで、休みの日はたいていどこかを歩いたりしています。散歩をしている中で、琵琶湖疏水に沿って散歩のための道が整備されている「そすいさんぽ」を知り、その全てのコースが完成したということも知りました。
散歩好きとしては歩かないわけにはいかないですね。ただ、全部で34.8キロあるそうで、土日だけで歩くには少し無理をしなければいけない距離です。でもせっかくなら一気に全部歩きたいですよね。海の日がある三連休に、全コースを制覇しようと決めます。まずはパンフレットを手に入れることに。
そすいさんぽのパンフレットは、琵琶湖疏水記念館で手に入れました。琵琶湖疏水記念館は無料で入れる施設で、琵琶湖疏水についての疑問や歴史を知ることができる博物館のような場所です。まずは琵琶湖疏水について学びます。
疏水というのは人工的に作られた水路で、運輸や飲料水、発電などさまざまな目的で作られるものです。琵琶湖疏水は、明治維新後に衰退していた京都を復興させるために考えられた大規模なプロジェクトで、琵琶湖の水を京都に引いてくるというものになります。
琵琶湖から京都には自然の川として宇治川があります。宇治川は京都市の南にある宇治市に流れ出るので、京都市と琵琶湖の間には山があるので自然の水は流れません。東山の方、山科や比叡山あたりを越えなければいけません。この辺りを人工的に水路を作るというのが琵琶湖疏水になります。山を越えるためにトンネルを通し、高低差を乗り越えるためにインクラインを作り、琵琶湖から京都市に水路を通す。そうして完成したのが琵琶湖疏水です。
現代を生きている僕にとって、水路の重要性はそこまで認識しにくいです。運輸については陸路が発達しているし、発電も火力や原子力の割合が増えているし、飲水だって蛇口を捻ったら出てきますからね。ただ、当時は水路はこれら全てに重要な役割を果たしていて、琵琶湖疏水が完成した京都はまた発展を遂げていったとのことでした。
さて、知識も手に入れたので、あとは歩きましょう。まず、琵琶湖浜大津駅まで地下鉄で移動します。琵琶湖、ちゃんと見たことがあまりなかったんですが湖じゃなくて海みたいですね。
パンフレットを見ながら、琵琶湖疏水の最初の場所を探します。
さて、ここから京都を目指してひたすら歩きます。橋には川の名前が書いてありがちですが、疏水には疏水と書いてあります。疏水について書かれた立て看板も見つけました。
疏水ということは水が流れる道。つまり、ひたすら下ると思いますよね?僕もそう思っていたのですが、琵琶湖から京都までは、疏水はトンネルの中を流れています。そのトンネルは歩いて通れないようなので、人は山を越えていくことになります。ということで、最初の3キロは山ルートです。小関越と呼ばれている道を通ることになります。自然がいっぱいで、こういう道は結構好きです。道には川が流れているのですが、これは琵琶湖疏水ではなく、普通の川のようでした。
そすいさんぽのルートには、キロポストがあり、今どれくらい歩いてきたのかを伝えてくれます。1キロごとにあるようなのですが、最初の1キロのところは見逃してしまいました。まず最初に見つけたキロポストは2キロのものです。
こんな感じでどんどん進みます。散歩ルートには最低限の案内しかないので、パンフレットは必須です。パンフレットを見ながら、どんどん先へ。間違えやすそうなところにはカンバンが立っているので、見逃さないように気をつけます。
さらに進むと竪坑が見えてきました。疏水のトンネルまで垂直につながっていて、これがあることでトンネル内に空気を送ることができたり、ここを起点に疏水のトンネルを掘り進めたりしていたようです。
もう少し進むと、やっと疏水を見ることができます。山科あたりで、トンネルから出てきた疏水とご対面です。
この辺りで、琵琶湖から4キロです。あれ、3キロのキロポストを見逃している・・・。
少し歩くとまたトンネルへ。昔はこのトンネルはなく、左側へ疏水が抜けてぐるっと回っていたそうです。昭和に入り、鉄道が近くを走ることになり、疏水と近づくと危険ということで、このトンネルが掘られたそうな。広くなっているのは船溜で、当時は船の荷下ろしや休憩として活用されていたようです。
ひたすら歩いて、5, 6, 7.3キロのキロポスト。7キロは7.3キロなんですね。ここだけなぜか小数でした。
疏水はまたトンネルに入っていきます。人は、三条通をぐるっと迂回します。
どんどん歩いて、8, 9, 10キロ。9キロは歩く側を間違えて、遠くの電柱にあるのを無理やり撮りました。見えますか?
10キロを越えると、よく見る東山の風景です。蹴上のあたりですね。ねじりまんぼやインクラインといった、観光名所、インスタ映えスポットが続きます。
もう少し歩くと疏水記念館へ。疏水記念館には疏水カフェがあるのでここで休憩をしようと思っていたのですが、どうやらカフェは春と秋しかやっていないとのこと。休憩に失敗して歩き続けることにします。
せっかくなので疏水記念館をもう一度まわります。歩いたあとなら、竪坑の実物を見ていたり、疏水を実感を持って感じられてとても良かったです。そういえばここにあるこの噴水、電気の力を使わずに疏水の水圧で動いているのだとか。水の力ってすごいですね。
この辺りは、平安神宮、京都市動物園、岡崎公園、みやこめっせなど、人がたくさん行き来する場所になっています。観光地でもあり、市民の憩いの場でもあり、このあたりの雰囲気は結構好きです。ここに流れてる水は疏水だったんですね。新しい発見です。
このまま、疏水は鴨川まで流れます。琵琶湖から鴨川までは全12.5キロ。これがそすいさんぽの1つ目のコースである、大津ー鴨川コースです。
というわけで、滋賀県から峠を越え、京都市に入り鴨川まで辿り着きました。疏水は鴨川で一部が鴨川に合流し、一部は鴨川運河となります。次に歩く鴨川運河コースの起点はここで、全12.6キロの道のりで、宇治川までつながっています。
長くなってきたので一旦この辺りで。次回は鴨川運河コース編です!